2024.04.04
食後高血糖って怖い!影響や防止方法を解説!
最近よく見る「糖質オフ」「ロカボ」など、糖質を意識した食品の数々。
糖質を気にすることに何の意味があるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、主に糖質を摂りすぎることが原因となり引き起こされる食後高血糖という状態について詳しく解説します。
そもそも食後高血糖って何?
食後高血糖とは、食事を摂ってから2時間後も、血糖値が140mg/dl以上の値を取っている状態のこと。
私たち人間は、糖質を摂ることで一時的に血液中のブドウ糖が増えます。増えたブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって筋肉に取り込まれ、エネルギーとして使用されます。エネルギーとして使用されなかったブドウ糖は基本的には肝臓に取り込まれますが、それでも余分になった分は血液中に溢れ、血糖値が上がるという仕組みになっています。
健康な人の場合は、このような体内でのさまざまな働きによって、食事をして2時間以内に、正常な値である70~100mg/dlまで血糖値が下がった状態に戻ります。
しかしながら、インスリンの働きが弱ってしまっていたり、乱れた食生活を送ってしまっていたりなど、さまざまな理由から高血糖の状態が継続してしまい、下がらない場合があります。これが食後高血糖です。
食後高血糖、何が良くない?体への悪影響
では、その食後高血糖とは、何が良くないのでしょうか。
高血糖の状態が食後2時間後にも続いてしまう状態による、体への悪影響をご紹介します。
糖尿病のリスク
血糖値には、インスリンという膵臓から分泌されるホルモンが大きく関わっています。前でも少し触れたように、インスリンは、食事により上がった血糖値を下げ、正常な値に戻そうとする力があります。しかし、この力が正常に働かない場合、血液中のブドウ糖が血管を傷つけ、糖尿病になるリスクが上がってしまうと言われています。
インスリンの力が上手く働かない、というのには、2つのパターンがあります。
1つは、過剰分泌が続くことによって、インスリンの作用が弱まってしまうパターンです。食後の高血糖が続くと、血糖値を下げようとしてインスリンは過剰に分泌されるように。そうすると、体がインスリンに慣れてしまい、効き目が悪くなる、という仕組みです。
2つ目は、単純にインスリンの分泌量が減るパターン。糖質の摂りすぎなどによって、インスリンを分泌する膵臓は疲弊します。その結果、インスリンの分泌量が減ってしまうのです。
動脈硬化のリスク
高血糖によって生み出された活性酸素は、抗酸化システムとのバランスを崩し酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスは血管の柔軟性を低下させ、発生した活性酸素自体も血管を傷つける要因になります。また、過剰なブドウ糖がタンパク質と結びつき起こす糖化という反応も、血管を傷つける要因に。このようにして血管の機能が低下することで、動脈硬化のリスクが上がるのです。
さらに、動脈硬化になってしまうと、高血圧になり、結果として脳卒中や心筋梗塞を引き起こすなど、恐ろしい病気を引き起こすことも考えられます。早めの対策が効果的です。
肥満のリスク
糖質の多い食事による食後高血糖は、血液中のブドウ糖を余らせたり、インスリンを大量に分泌させる可能性を孕んだり、というのは前でもご説明した通り。
このように余ったブドウ糖は、中性脂肪に変わります。また、脂肪を作り出す・分解を阻害する作用のあるインスリンは、過剰分泌により肥満の原因にもなります。
これらのことから、食後高血糖は肥満のリスクも増加させるといえるでしょう。
老化を早める
アンチエイジング、と聞くと抗酸化作用、と結び付く方も多いのではないでしょうか。
ご説明してきた通り、食後高血糖は酸化ストレスを引き起こします。つまり、老化速度を上げてしまうのです。
活性酸素によって引き起こされた酸化ストレスは、血管以外のさまざまな組織を攻撃、傷つけます。その結果、お肌や髪の毛などを老化させる場合もあります。加えて、糖化もお肌のシミやくすみ、髪の毛の老化の要因になってしまいます。
あなたは当てはまってる?なりやすい人の特徴
食後高血糖になりやすい人にはいくつか特徴があります。
・糖質の多いものを良く食べる
・甘いスイーツや炭水化物が好き
・ドカ食いすることが多い
・食事を抜くことが多い
・野菜やきのこ、海藻などを食べることはあまりない
・運動習慣がない
・両親のどちらか、もしくは両方が糖尿病である
・食後眠くなりやすい
・集中力が続かない
もちろん、「これが当てはまったから食後高血糖だ!」と決めつけるにはまだ早いですが、意識することは大事。まず自分の状態を把握して、今からできる範囲で対策を取るに越したことはないですよ。
防ぐための工夫3選
ここまで食後高血糖と、それによって引き起こされる可能性のある病気などについて解説してきました。
「じゃあどうすれば食後高血糖は防げるの?」と感じている方もいらっしゃると思います。ここからは、食後高血糖が起こらないようにする工夫を3つご紹介していきます。
食事の内容に気を付ける
食事内容で意識したいポイントは、主に5つ。
・炭水化物だけでなく、タンパク質などおかずも食べる
・糖質を多く摂りすぎず、1食40g程度に抑える
・できるだけGI値の低い食品を選ぶ
・白米を玄米に、パンをブランパンに置き換えてみる
食物繊維やタンパク質は、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果があります。したがって、積極的に摂取するようにしましょう。玄米やブランパンも同様に、食物繊維が多いという理由で記載しています。
また、GI値というのは、血糖値の上がりやすさを示した値。つまり、これが小さい方が血糖値は上がりにくいということを示しています。
食事の摂り方に気を付ける
摂り方で気を付けたいのは、以下の5点。
・規則正しく食べる
・食べる量は腹八分目までにする
・ゆっくりよく噛んで食べる
・タンパク質や食物繊維、油ものなどを先に、炭水化物を後に食べる
これらはどれも、血糖値を緩やかに上昇させるための工夫。
1つ目に挙げた、1日の最初の食事の摂り方に関しては、セカンドミール効果と呼ばれる理論が関係しています。これは、1日の最初の食事が、次の食後の血糖値に影響を与えるというもの。1食目に食物繊維を多く含む食品を摂ることで、2食目も血糖値が上がりにくくなります。
運動習慣を付ける
食後の血糖値の急激な上昇を防ぐためには、運動が効果的。
特に、筋トレなどの無酸素運動、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を組み合わせるのがおすすめです。運動をすることで、ブドウ糖をエネルギーとして消費してくれますよ。
ただし、食後すぐの激しい運動は消化不良の原因に。
すぐ運動するのであれば、スクワットなどの軽い筋トレを5分程度、階段の昇り降りを6~7分程するのがいいでしょう。他にも、食事を摂ってから15~30分ほどしてから早めのウォーキングをするのも◎。
できることから取り組んでみましょう。
まとめ
食後高血糖は、恐ろしい病気を引き起こす原因になります。
今から対策して、健康で若々しい身体を保ちましょう!
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