2021.08.20
勘違いケアに注意!正しい保湿で全身うるおい美肌
保湿はスキンケアでもっとも大切なこと、と言っても過言ではありません。しかし、意外とおざなりになりがちなのも保湿です。
「私はしっかり保湿している」という人も要注意!かえって乾燥の原因になるような、勘違いケアを続けている人も多いんです。
10代・20代の時は特に気を遣わなくても問題なかったかもしれませんが、肌は年齢とともに乾燥しやすくなります。
今回は保湿の基本や間違った保湿の仕方、部位別の保湿方法についてお話します。
今一度、保湿ケアを見直してみませんか?
保湿の基本
保湿はとても身近な言葉です。しかし、保湿の意味を正しく理解している人は、どれくらいいるでしょうか。
保湿に対する間違った理解が、逆効果になる勘違いケアの原因になります。
まずは基本に立ち返って、保湿とは何かを学んでいきましょう。
保湿の意味
保湿の意味は単に「肌にたくさん水分を与えること」だと思っていませんか?
保湿とは、肌が本来のバリア機能を発揮し、表皮の角質層が十分な水分を保っている状態のことです。
いくら水分をたくさん与えても、肌にその水分を保つ機能がなければ、みずみずしい肌を手に入れることはできません。
保湿の仕組み
肌は大きく分けると、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。
一番外側にある表皮は皮脂膜で覆われ、その内側は「角質層」「顆粒(かりゅう)層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底層」の4層。
このうち、角質層には肌の潤いを保つ「保湿機能」や、外部のさまざまな刺激から肌を守る「バリア機能」が備わっています。
肌の潤いは「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」の3つから守られています。
NMFには角質層に水分を蓄え、肌の弾力を保つ役割があります。
細胞間脂質の主な成分はコレステロールやセラミドです。角質細胞同士の隙間を埋め、肌に水分を留めます。皮脂膜は、肌を守るために分泌された皮脂と汗が混ざってできた膜。肌から水分が蒸散するのを防ぎます。
このように、肌には水分を留めておく「保湿機能」が備わっています。理想的な肌は、角質層に約20%の水分が保たれている状態のことを指します。
保湿が肌にもたらす効果
保湿は、肌にさまざまな効果をもたらします。
まずは肌のバリア機能です。肌が十分な水分を保っていれば、乾燥や紫外線、アレルゲンなど、外部の刺激からある程度肌を守ることができます。
つまり、肌の潤いが不足するとバリア機能が低下します。乾燥した状態の肌は、髪の毛が触れただけでもチクチク感じ、かゆみや赤みなどの肌トラブルを引き起こすこともあります。
美白*ケアにも、保湿は欠かすことができません。バリア機能は紫外線から肌を守り、紫外線の吸収を抑える役割があります。しっかり潤った肌はターンオーバーが正常に行われ、メラニン色素の沈着を防止。シミやくすみのない、透明感のある肌を守ってくれるのです。
キメが細かく、毛穴の目立たない肌も、保湿がしっかりできている証拠。
肌に十分な潤いがあれば、表皮を網目状に走る溝や毛穴は目立ちません。キメが細かく整った肌に近づくには、保湿が1番の近道です。
保湿機能が低下する原因
保湿機能の低下には、次のような原因が考えられます。
まずはターンオーバーの乱れ。保湿は肌のターンオーバーを正常にするために必要ですが、ターンオーバーが正常に行われていないと、肌の保湿機能は低下してしまいます。
寝不足や不規則な生活習慣、ストレスなどで肌のターンオーバーが乱れると、肌の新陳代謝が停滞。古い角質細胞がいつまでも留まり続け、元気な細胞の水分まで奪います。
加齢も肌のターンオーバーを遅延させる原因の1つ。年齢を重ねると、NMFや皮脂の分泌も減少するので、保湿機能は低下していきます。
理想的な美肌は「赤ちゃん肌」と呼ばれることがありますが、赤ちゃんの肌も乾燥しやすいですよね。赤ちゃんは肌のバリア機能が未完成。保湿力が弱いので、肌トラブルを起こしやすいんです。
今回特に注意していただきたいのが、間違ったスキンケアです。当然、スキンケアは肌を美しくするために行うものですが、間違ったケア方法はかえって肌の保湿機能を低下させてしまいます。
注意!乾燥を招く勘違い保湿ケア
保湿に気を遣っているはずなのに、肌が乾燥しやすい人は、スキンケアを見直してみましょう。間違ったスキンケアは肌を乾燥させ、さまざまな肌トラブルを引き起こします。
音が鳴るほど強く化粧水を叩き込む
かつて化粧水のCMで、パンパンと音を立てて化粧水を叩き込む描写がありました。しかし、強い刺激は肌の負担になり、乾燥だけでなくシミやしわなどの原因にもなります。
肌を刺激する可能性があるコットンにも要注意。毛羽立つコットンで化粧水を浸透させようとしても、逆効果になってしまいます。
化粧水・乳液の適量を守っていない
スキンケアの話題になると「安い化粧水をバシャバシャと使うのが良い」という話が出てきます。確かに、高い化粧水をチマチマと使うよりはいいのですが、いっぺんにたくさんの化粧水を使うのはあまり意味がありません。なぜなら、肌に浸透する水分の量は決まっているからです。
化粧水が浸透しないと、肌が濡れたままの状態になります。濡れたままの肌は水分が蒸発しやすくなり、かえって乾燥しやすいのです。乳液のつけ過ぎも、同じことが言えます。
化粧水や乳液は、多すぎても少なすぎてもダメ!適量を守っていないと、乾燥の原因になってしまいます。
熱すぎるシャワーやゴシゴシ洗い
健康な肌を守るには、肌を清潔に保つことも大切です。しかし、しっかり洗おうとして熱すぎるお湯を使ったり、ゴシゴシと洗ったりするのは危険です。
熱いお湯は肌に必要な皮脂を奪うので、特に洗顔には向きません。
強い摩擦や刺激は肌にダメージを与え、バリア機能を低下させてしまいます。メイク落としや洗顔で肌を強く擦ったり、体をタオルでゴシゴシ拭いたりすると、肌の保湿機能が低下し、乾燥の原因になります。
部位別!おすすめの保湿ケア
最後に特に乾燥しやすい部分の保湿方法をご紹介します。
顔全体
顔の保湿機能を保つには、メイク落としや洗顔方法、スキンケア用品の使い方が重要です。メイク落としや洗顔はできるだけ摩擦を与えないように注意し、必ずぬるま湯ですすぎましょう。
化粧水や乳液は叩き込むのではなく、ハンドプレスが基本。手のひらで優しく押し込むようにつけます。
コットンは化粧水を均一に浸透させるのに便利ですが、特に敏感肌には刺激になることも。毛羽立たない、優しい素材のコットンを使ってください。
目元
目元は顔の中でも特に皮膚が薄く、保湿機能が弱い部分です。また、皮脂を分泌する「皮脂腺」が少なく、他の部分よりも乾燥しやすい傾向にあります。
目元はしっかりメイクになりやすい場所ですが、メイク落としはどの部分よりも優しく丁寧に行ってください。目元専用のリムーバーを使うのがベストです。
メイク落としや洗顔の後は、化粧水と乳液でしっかり保湿しましょう。特に乾燥しやすい部分ですから、他の部位と同様のケアでは潤い不足になるかもしれません。目元専用のパックやコットンパックなどで保湿するのがおすすめです。
唇・口の周り
口元も目元と同じく皮膚が薄い部位。特に唇は皮脂腺や汗腺がなく、皮脂膜が生成されないため、すぐに水分が失われてしまいます。
口の周りは凹凸が多く、乳液や保湿クリームの塗りムラが起きやすい部分。塗りムラがないように丁寧にケアしてください。
食後や歯磨きの後に拭いたり、無意識に触ったり、口元は摩擦や刺激を受けやすい部分でもあります。むやみに触らないように注意し、口元を拭いた後は保湿クリームやリップクリームで潤いを補充しましょう。
唇がかさついて、皮がむけてしまった時は、唇パックがおすすめ。蒸しタオルで唇を温めてから、ワセリンやハチミツを唇に塗ります。食品用ラップフィルムでフタをして、5~10分パックすれば、荒れた唇もしっかり保湿することができますよ。
ひじ・ひざ・かかと
乾燥しやすい部分の特徴は、皮脂腺が少ない、皮膚が薄い、摩擦や刺激が多い、など。
ひじ・ひざは皮脂腺が少なく、かかとには皮脂腺がありません。3ヶ所とも摩擦や刺激を受けやすく、角質層が厚くなりがち。保湿成分が浸透しにくくなっている人が多いでしょう。
ガサガサになった部分はスクラブで柔らかくし、ボディーローションや化粧水を優しく浸透させます。その後、ワセリンやシアバターなど保湿力の高いスキンケア用品で潤いを閉じ込めましょう。
背中
これまで紹介してきた部位と違って、背中は皮脂腺や汗腺の多い部分。乾燥が気になる場合は、油分の少ないボディーローションなどで保湿してください。
スポンジなどでゴシゴシ洗ったり、熱いシャワーを長時間浴びたりすると、保湿力が低下してしまいます。
背中以外にも、ボディーのかさつきが気になる人は、まず入浴の仕方を見直してみましょう。
まとめ
夏は暑いから…といって保湿ケアを怠るのはNGです。冬の肌や数年後の自分のために、こまめな保湿ケアを行いましょう。
正しい保湿で、ふわふわな肌を手に入れてくださいね。
*メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ
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