ジェンダーレス美容とは？メイクやファッションが男女の枠に囚われない時代へ

ジェンダーレス美容とは

今やメイクは女性だけがするものではなく、男性がすることも珍しくありません。コスメだけでなくスキンケア用品も、性別関係なく使えるアイテムが増えてきていることをご存知でしょうか。

性別を問わず使える「ジェンダーレスコスメ」をはじめ、美容意識はジェンダーレス化が進んでいます。

男性もメイクをする時代に

コロナ禍でリモート会議が増えたことから、男女ともに自分の顔を客観的に見る機会が増えました。それがひとつのきっかけとなり、男女ともにスキンケアなどの美容意識が向上し始めたといわれています。

また、美容先進国である韓国は、以前から性別問わずにスキンケアや体型管理を行うなど、美容意識の高さが注目されています。韓国人男性はしっかりメイクをし、ジェンダーレスな服装をすることも少なくありません。そういった文化が日本人にも少なからず影響を与えてきたのでしょう。

男性・女性らしさではなく「自分らしさ」

キレイ、カッコイイ、という定義は変容してきており、これまではゴツゴツとした「ザ・男」といえるような男らしさがカッコイイとされてきましたが、現代では女性のようにキレイな顔立ちの男性が好まれる傾向にあります。

また、男女問わず使用できるコスメやスキンケア用品が増えており、男性の美意識は非常に高まってきています。男性らしさ・女性らしさという概念はもう古く、性別を問わず「自分らしさ」を追求する時代にきているといえるでしょう。

ジェンダーレス美容が主流になった背景

ジェンダーレス美容が注目されるようになってきたのは、前述のように韓国文化の影響のほか、Youtubeなどで美容を身近に感じられるようになったことも挙げられます。

美容大国である韓国の影響

韓国文化は、日本のジェンダーレス美容に大きく影響を与えています。韓国では、男性がメイクをすることやレギンスやスカートをファッションとして身につけることは以前から珍しいものではありませんでした。さらに、K-POPアイドルの日本での人気も相まって、男女とも韓国人男性の美しさを認識するようになりました。

この現象は、女性が男性の美意識を許容することにもつながっているといえるでしょう。ジェンダーレス美容が主流になってきたのには、女性側の許容も深く関係していそうです。

YoutubeやTikTokで美容がより身近なものに

以前より女性の美容系Youtuberは数多くいましたが、近年では男性の美容系Youtuberが増えてきています。もともとメイクやコスプレなどが好きで発信をしていた人が急に人気になったり、整体師や美容師など、もともと美容系の発信をしていた人がスキンケアやメイクの題材に取り上げたりなどで話題になっています。

また、若年層に人気のTikTokでは、あまり時間を取らずに気軽に見れる動画が人気。YoutubeやTikTokで「自分らしさ」を発信しやすくなり、その自分らしさが受け入れられ始めていることも背景であるといえそうです。

ジェンダーニュートラルの浸透

ジェンダーニュートラルとは、「性別に捉われない」という考え方のことです。この考え方は海外だけでなく日本でも浸透してきており、ジェンダーフリーな学生服やオールジェンダートイレの普及などにつながっています。

今後もこの動きは活発になっていくと見られており、ジェンダーニュートラルの浸透はジェンダーレス美容にも影響を与えているといえるでしょう。

コスメ商品の販売促進でもジェンダーレスが意識されるように

美容業界はいち早くこのジェンダーレスに着目し、今、コスメやスキンケア用品も性別問わず使えるアイテムが増えています。彼氏や彼女と共有できる「シェアコスメ」といったワードを聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。

コスメがジェンダーレスを意識したものに変化してきたことは、コスメの広告や美容部員の接客にも現れてきています。

販促広告に男性が起用されるように

近年では、コスメの広告に男性の俳優やアイドルが起用されることも珍しくありません。かつては女優や女性タレントの起用が主流であったのに、このような変化が起きているのはなぜでしょうか。

一つは、女性を応援する目線での起用。そしてもう一つが、男性もメイクを楽しんでほしいという「対男性」への目線での起用だといわれています。また、男性は骨格が女性よりもしっかりとしていることから、商品の機能性をアピールしやすいという面もあるようです。

メンズコスメが主流ではなかった時代から、男性がメイクするという啓蒙や性別問わず使える商品が増えることで、ジェンダーレス美容がより主流になってきているといえるでしょう。

美容部員の接客も変化している

ジェンダーレス美容が主流になることで、美容部員の接客も多様化してきています。近年、ある男性がコスメカウンターでリップを眺めていたら、美容部員さんから「試してみますか？」と声をかけられたことがSNSで話題となりました。

「贈り物用ですか？」ではなく、男性自身が使うと想定しての声かけは、これまでは見られなかったことです。

美容部員の接客一つとっても、ジェンダーレス美容はより身近なものになってきていると感じることができるでしょう。

まとめ

ジェンダーレス美容とは、性別を問わない美容のこと。美容大国である韓国のほか、YoutubeやTikTokもその背景にあると考えられます。近年では男性俳優やアイドルを起用したコスメ商品の広告も増え、美意識はよりジェンダーレス化が進んでいることがわかります。

男性らしさ・女性らしさにこだわることなく、好きなメイクやファッションを楽しみ、より「自分らしさ」が評価されるようになる未来もそう遠くはないでしょう。